2ann · REFERENCE
ドライバーの種類
ドライバーは電気信号を音に変える部品です。動作原理、製造技術、伝達方式、組み合わせを区別して説明します。種類や数だけで音質の順位は決まりません。
音を生み出す構造を図で理解する
ダイナミック
仕組み
磁界中のボイスコイルに電流が流れると力が発生します。接続された振動板が前後に動き、空気を振動させます。
特徴
1基で広い帯域を担当でき、振動板の面積や振幅を低域設計に活用できます。
確認する点
密閉、通気孔、チューニングで低音は変わります。DDだから低音が強い、高音が弱いとは限りません。
技術資料: Bose · Driver types ↗
バランスド・アーマチュア
仕組み
固定コイルの信号で磁力が変化し、磁石の間の小さなアーマチュアが動きます。連結部が動きを振動板へ伝えます。
特徴
小型化しやすく、帯域を分担する構成や他方式との組み合わせに向いています。
確認する点
低域・中域・高域用があります。数よりも帯域のつながり、音導管、実際の周波数特性を確認しましょう。
技術資料: Knowles · Balanced armature speakers ↗ · Bose · Driver types ↗
平面磁界型
仕組み
薄い平面振動膜の導体パターンに電流を流し、磁石配列との相互作用で膜を動かします。
特徴
膜の複数の部分に駆動力を分散でき、独立したボイスコイルを取り付けるDDとは構造が異なります。
確認する点
感度や必要出力は機種によります。平面型だから高解像度、あるいは駆動困難とは断定できません。
静電型・EST
仕組み
電極間の電気力の変化によって、帯電した薄い振動膜が動きます。磁力で駆動する方式とは異なります。
特徴
IEMのESTは高域補助に使われることがあります。全帯域の静電型には専用駆動装置が必要な設計もあります。
確認する点
EST表記だけで全帯域静電型とは判断できません。担当帯域と駆動条件を確認しましょう。
圧電型・ピエゾ
仕組み
電圧で圧電材料がわずかに変形し、その動きで音を出します。図は材料を貼った板が曲がる例です。
特徴
磁石やボイスコイルを使わず薄く設計できます。イヤホンでは高域補助などに使われます。
確認する点
共振、帯域の接続、駆動回路を確認しましょう。セラミックや積層という名称だけでは音質は判断できません。
MEMSマイクロスピーカー
仕組み
半導体の微細加工で作る機械構造を利用します。図は圧電で動くpiezoMEMSの例で、全方式に共通する図ではありません。
特徴
小型で精密な構造を作れます。MEMSは製造技術の分類で、圧電型と重なる場合があります。
確認する点
専用駆動回路、担当帯域、他のドライバーとの組み合わせを確認しましょう。名称だけでは互換性は分かりません。
骨伝導・接触伝達
仕組み
変換器の機械振動を皮膚・組織・骨などの接触経路へ伝えます。駆動部自体は電磁式や圧電式などです。
特徴
耳を塞がない骨伝導製品と、空気伝達に接触振動を加えるIEMは区別しましょう。
確認する点
接触位置、圧力、装着状態に左右されます。BC付きIEMが開放型とは限りません。
技術資料: Shokz · Bone conduction ↗ · FiR Audio · Hybrid conduction ↗
AMT
仕組み
磁界中の導体を持つ折りたたまれた膜が開閉し、ひだの間の空気を押し出したり引き込んだりします。
特徴
折り目で振動面積を確保する構造で、平らな平面磁界型の動きとは異なります。
確認する点
イヤホンでは比較的珍しい構成です。小型化、帯域、感度は実装次第で、名称が特定の音色を保証するわけではありません。
技術資料: HEDD · AMT ↗
ハイブリッド・トライブリッド
仕組み
異なる方式のドライバーを組み合わせます。DD・BA・ESTなどで帯域を分担し、電気・音響フィルターで出力をまとめます。
特徴
トライブリッドは通常3方式の組み合わせで、ドライバーが3基という意味ではありません。
確認する点
基数とクロスオーバーのウェイ数は別です。帯域間の音量、位相、時間、装着を含め製品全体で比較しましょう。